私は「樹木医と歩く奈良公園」というセミナーに参加し、樹木がまるで人間のように思考し、生存と成長のために休むことなく全力を尽くしている姿に深い驚きと感動を覚えました。まさに「一所懸命」、この言葉は樹木のためにあると感じたのです。
講師は「樹木はただ静かに立っているだけではない」と語りました。天候の変化、鳥や昆虫、他の動植物は成長に欠かせない存在でありながら、同時に生存を脅かす要因でもあります。たとえば、落雷や積雪で枝葉を失ったとき、樹木は倒木を防ぐために成長のバランスを変え、外敵である害虫や微生物に対しては、特有の「匂い」を発して攻撃するのです。
樹木の内部では複雑な生命活動が行われ、その生命力は枝葉の隅々にまで行き渡り、環境に適応しながら力強く生き抜いています。この事実に深く心を動かされ、私は樹木や森の生命力を写真を通じて表現したいと強く思うようになりました。
2017年から2024年にかけて、奈良春日山周辺、橿原公苑、神戸森林植物園などで撮影を行いました。なぜこのような枝ぶりになったのか、老木の隣に新しい樹木がある世代交代の光景など、撮影を通じて新たな発見と驚きの連続でした。
私の写真展「ささやく森」では、森を散策するような体験を通じて、樹木が持つ力強さと神秘を感じていただければ幸いです。
【在廊日】
11/6(水)・・・12:00~18:30
11/7(木)・・・12:00~18:30
11/9(土)・・・12:00~18:30
11/10(日)・・・12:00~17:00
〇ギャラリートーク
11/9(土) 14:00~14:30
11/10(日) 14:00~14:30
※両日無事終了いたしました
新宅成憲(しんたく しげのり)
奈良県橿原市出身
作家名 夢少年
2011年に写真展を見学したことをきっかけに写真撮影を始める。
2017年にNHKカルチャー京橋「組写真教室」で学ぶ。
「日常のときめきをすくい上げる」をテーマに、組写真中心で表現。
【主な受賞歴】
・芦屋写真展 入選(3回)
・桜井市展 入賞
・なら市展 入選
・けいはんな記念公園 入賞
【出展歴】
・ギャラリー・ソラリス、ギャラリーら・しい企画展など多数
・大阪写真月間「写真家150人の一坪展」(6回出展)
シリーズ作品には「都市景感」「ささやく森」「ファーブル」などがある。
※11/10 在廊時間を変更いたしました